【第811局】ソフト指しと人間が指すということ

皆さん、こんにちは。

将棋普及棋士初段のIORIがお送りする「将棋する?」のお時間です。

それでは対局を始めさせていただきます。

 

AIに関して、経済学や哲学、メディア学などといった多くの分野で人工知能と人間人工知能の出現によって社会にどう影響を及ぼすかの未来像AIは人間を凌駕するのかとさまざまに論じられてきました。

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では、人間が指す将棋ソフトが指す将棋の大きな違いはどこにあるのでしょうか。

 

「人間は、前から手を継承する「線」で考えます。だから「線」が繋がらない時は、何か勘違いがあったと考えるし、予定変更を余儀なくされたのかなと考えて次の一手を選びます。コンピュータは、一手指すと、その局面で考えた新たな手を加えてくることがあるので、2手先3手先とで最善手が変わるというか、人間ならこの流れにならないという手が出てきます。その意味では、「点」で考えているといえます。人間は、1手前とは違う人が指したような手に対応しなければならないので、読みの量は増えるし、疲労もたまるわけです。」と阿久津主税八段はいわれています

 

また、羽生善治九段は「今この局面ではそういう流れで、どんな方向性で到達したのかという状況を把握するために寄付を見ているのです。[……]この手順できたからには、次はこの手が自然であり、この手でうまくいかなければおかしい。棋譜を見ながら、そんなことを考えていくのです。」といわれています。

 

人間は、阿久津八段や羽生九段がいうように、人間は、「流れ」を重要視する物語的思考、それに相違し、ソフトは「点」を考える数値的思考という違いがあるように思います。

 

今まで棋士が鍛えてきた物語的思考が人間の思考に一定の制約を与えていることが、物語的思考ではない、数値的思考のソフトによって明らかになっていったのではないかと考えました。

 

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1005文字により、対局終了になります。

ありがとうございました。