皆さん、こんにちは。
将棋普及棋士初段のIORIがお送りする「将棋する?」のお時間です。
それでは対局を始めさせていただきます。
ソフトの登場により、「将棋の強さ」への捉え方が変わったのではないか。
そう、主張するのは、久保明教(『機械カニバリズム』講談社選書メチエ)。
今までは、プロ棋士の研究にはソフトは使われてきませんでした。しかし、ソフトを研究に導入され始め、次々と新手が編み出されています。
著書の『機械カニバリズム』でも、
「ソフトの評価値を検討する勉強法をいち早く取り入れたことで知られる若手棋士・千田翔太は、筆者との対談のなかで、強豪ソフト「ナインデイフィーバー」が、「中段玉」と呼ばれる局面において自玉の安全度を高い精度で見切ることに注目している」(p94)と具体的に取り上げられています。
従来は、大局観といったもので、将棋が指されてきましたが、ソフトの出現により従来の要素では勝てなくなりました。今の将棋の強さは、ソフトがない時代にイメージされていた強さは異なるのではないでしょうか。
著者が、「電王戦における棋士とソフトとの相互作用を通じて、将棋において競技と文化を繋いできた「強さ」なるものは著しく不安定化した。「コンピュータは棋士よりも強いのか」という問いに駆動された興行を通して、むしろ「強さ」という観念自体がさまざまに変化してきたのである。」(p 123,124)と『機械カニバリズム』で記述しているように、プロ棋士の強さに勝つ目的で誕生した将棋ソフトは、将棋棋士の強さを変えたのではないでしょうか。
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901文字により、対局終了になります。
ありがとうございました。