【第1347局】気転をきかせる米長先生

皆さん、こんにちは。

将棋普及棋士初段のIORIがお送りする「将棋する?」のお時間です。

それでは対局を始めさせていただきます。

 

米長先生がロンドンに旅行に行かれた際、セントアンドリュースでゴルフをしようということがありました。

この旅行には案内人もいたため、スムーズに予約を済ませ、向かいました。

しかし、着くと、関係者に、「今日はトーナメントを開始しており、一般人向けには公開していない」とのことで断られましたそうです。

案内人はかなり粘って交渉したようですが、支配人は「無理だ」の一点張りで困りはて諦めて帰ろうとした際に、

米長先生は、「『一つお尋ねしたいが』と支配人に言った。うなずくと、『貴方にチップを差し上げようと思うのだが、それは失礼に当るだろうか?』恐らくたどたどしい英語だったと思う。それでも意は通じた。気難しそうな支配人の表情はくずれて『いや、失礼ではない』米長はすかさず内ポケットから一枚の紙幣を出し、支配人に握らせた。とたんに態度が一変した。『今、最終組が出たところだ。急げば全ホール回れる』とは言って、バッグを運んでくれたそうだ」(河口 2013: 232)。

 

この支配人はただチップをもらったから入れてくれたのでしょうか。

私は、貴方にチップを差し上げようと思うのだが、それは失礼に当るだろうか?(河口 2013: 232)という言葉から分かるように米長先生の人柄に惹かれたのではないかと思います。

将棋界を代表し、将棋界の発展に貢献された米長先生。そこには人を魅了するそのお人柄があったからではないでしょうか。

 

参考文献:河口俊彦,2013,『升田幸三の孤独』マイナビ

 

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931文字により、対局終了になります。

ありがとうございました。