【第1673局】将棋倒しができる人たち

皆さん、こんにちは。

将棋普及棋士初段のIORIがお送りする「将棋する?」のお時間です。

それでは対局を始めさせていただきます。

 

初心者に将棋を教える時に将棋倒しを教えて遊ぶこともあります。私が将棋を教える対象が幼稚園生や小学生であることから、集中力が切れてきたタイミングで「将棋倒し」をする機会は多いです。

そんな将棋倒しは、昔は限られた層でしか遊べなかった可能性があるようです。そう考察する永井(2023)を、長いですが引用します。

「現存する将棋の出土駒は厚さの薄い駒が多く、すべての駒が底面を下にして自立する厚みではない。御所に出仕する平家の公達や大納言家の四条隆房なら、御所に調度品として備えられている将棋駒で将棋倒しをして遊んだ可能性はある」(永井2023:95)。

 

確かに薄い駒であれば駒は自立することは難しいです。出土している駒から将棋倒しで遊べる人は限られていたと考えられますが、果たして将棋倒しという遊び方は当時に存在していたのでしょうか。江戸時代には、将棋倒しという言葉が日常会話や川柳に登場することから存在していたことがわかりますが、永井(2023)が対象とする年代には将棋倒しという言葉は確認できていないように思います。

この点に関しては、今後の新規の史料に期待したいと思います。

 

文献:永井晋,2023,『将棋の日本史ーー日本将棋はどのように生まれたのか』山川出版.

 

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886文字により、対局終了になります。

ありがとうございました。