皆さん、こんにちは。
将棋普及棋士初段のIORIがお送りする「将棋する?」のお時間です。
それでは対局を始めさせていただきます。
技術の発展もあり、現代ではAIと将棋やチェスがさせるようになりました。
では、それまで人間対人間しか対局できなかったかというとそういうこともなさそうです。
18世紀後半に「自動チェスプレーヤー」がウォルフガング・ケンペルの手によって発明されました。「オリエント風の衣装を着け、箱の中の強力な磁石で駒を動かす仕掛けになってい」(増川 2003: 138)ました。
人形とチェスができるということで、当時は多くの人が参加したようです。ナポレオンも実は人形とチェスをしたことがわかっています。今はこの自動チェスプレーヤーは、火災でなくなったようです。
このことを知ると、シンプルに凄いの一言ですが、真相は別にあるようです。
確かに、自動チェスプレーヤーなるロボットが発明はされていたのですが、「実際は背の低い競技者をなかに隠しており、巧妙な機構によってその競技者は敵の手を見、チェス盤を支えている家具につくりつけられた人形の左腕を動かし」(107)ていたようです。
やはり18世紀後半に自動化は厳しいものがありましたか。
ですが、実際にナポレオンとチェスをしたことは実際に指したことは事実であり、なんと自動チェスプレーヤーが1勝しています。
ナポレオンを騙せたように、そのほか全員を騙させたのでしょうか。
小説家のエドカー・ポーは怪しみ、その真相を暴こうと論文を出しました。しかし、増川(2013)にあるように、火災によりなくなってしまったとのことです。
ごまかしたのは良くないことですが、チェスの自動化を夢見ることは今の私たちと変わらないところですね。
たとえ、自動化でなかったとしても、18世紀後半にこのように珍しいものが発明されたとなれば、(もし)当時に生きている物好きな私は絶対に見に行って対局していたことでしょう。
文献
フランソワ・ル・リヨネ,成相恭二訳,1977,『チェスの本』白水社.
増川宏一,2003,『ものと人間の文化史110 チェス』法政大学出版局.
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1123文字により、対局終了になります。
ありがとうございました。