【第1660局】将棋めしが注目されたのは

皆さん、こんにちは。

将棋普及棋士初段のIORIがお送りする「将棋する?」のお時間です。

それでは対局を始めさせていただきます。

 

プロ棋士の先生が何を食べたかが注目され、「将棋めし」なんて言葉まで登場しています。

以前に、棋士が何を食べたかが記録されることは、実は江戸時代から行われていたと書きました。しかし、それはメモ日記のようなものでした。

 

では、棋士が何を食べたかが商業的に報じられたのはいつ頃なのでしょうか。

観戦記者で倉島竹二郎は、「対局者の服装や対局中の顔色動作などをできるだけリアルにくわしく書くこと」(倉島 1985: 19)「読者をして勝負の場の空気を実際に観戦しているように感じさせること」(倉島 1985: 19)を心がけていたといいます。

その一つに、将棋めしを書いていたようです。

 

編集部からは、「将棋指しが昼飯になにを食ったか、そんなことまで書く必要ないじゃないか」(倉島 1985: 19)と言われることも多々あったといいます。

それに対して、倉島は「そんなばかな話はない。鰻丼を平らげるのと、笊蕎麦ですませるのとでは違う。それでその棋士の嗜好もわかれば風貌も自ずと感じられ、読者は親しみをますじゃないか」(倉島 1985: 19)と反論しています。

 

どんな食事をとり、どのように食べたかを書いてもらえると、棋士の心情や人間性も読者は読み取ることができます。

今では、将棋めしは、棋士と同じものを食べるという新しい楽しみ方がありますが、映像で伝えられない時代では、棋士人間性を伝える重要なツールだったのですね。

 

文献:倉島竹二郎,1985,『昭和将棋風雲録ーー名棋士名勝負物語』講談社

 

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992文字により、対局終了になります。

ありがとうございました。